第一線で活躍する諫早人VOL.28
山邊鈴(やまべりん)さん
Profile
長崎県立諫早高等学校3年。長崎県立諫早高等学校付属中学校から諫早高等学校へ進学。2019年夏より、インド北西部の進学校K.T.H.M大学へ留学。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い今春帰国後、復学。
Q.インド(留学)やフィリピンを訪れて、印象に残っていること
A.インドでもフィリピンでも共通して「こんなに可能性のあるこども達がなぜ「自分はできる」という感覚を持てないんだろう」と思いました。インドは歴史的にカースト制度がひどい国で、どれだけ才能があるこどもでもスラム街に住んでいたり、身分が低いというだけで弊害を受けるこども達でいっぱいでした。…もったいない。その「もったいない」という強い感情が、今の自分を作ってくれたと思います。
Q.国連の職員になりたいと思ったきっかけ
A.原爆投下によりたくさんの人が苦しんできた「長崎」に生まれたことで、人への「共感能力」がすごく高い私には、それが自分の身に起きたようにしか思えず「人のためになりたい」「国連の職員になりたい」と思うきっかけになりました。ですが今は、国連の職員に限らずともいいのではないかと思っています。
Q.夢を持つきっかけ
A.近頃は途上国だけでなく、日本の貧困を解決できる人になりたいと思っています。インドから帰国した際、コロナの影響で見えなかった日本の貧困が可視化されたことを痛感しました。日本の貧しい人は自らの状況を恥じ、自己責任だと自分を責めてしまう現状に危機感を覚えています。経済学者として格差を解決しつつ、ジャーナリストとして人々の心の中の分断を壊していきたいです。
Q.noteの反響について
A.社会と距離があるような気がして「自分の声に意味はない」と思っていました。「note」を公開してしばらく経ちますが、今もたくさんの声を頂きます。「社会の分断」は、皆さんも感じていたことだったようで、改めてその問題の大きさや深刻さに気づき「これに人生をかけて取り組みたい」と思うようになりました。ジャーナリストの「田原総一郎さん」と対談したり、メディアアーティストの「落合陽一さん」や文部科学省の方と、あるプロジェクトを進行中で、文学者の「内田樹(たつる)さん」と2人で執筆することも決まっています。
Q.鈴さんってどんな人?
A.人の苦しみを吸ってしまって悩みやすい。だけどそれが問題の原因の根本を見極める能力にも繋がっていると思います。でも普段は明るいです!(笑)
Q.好きな言葉
A.中学3年の合唱コンクールで歌った「手紙~拝啓 十五の君へ~(アンジェラ・アキ)」の歌詞「人生のすべてに意味がある」。
Q.諫早の好きなところやおすすめスポット
A.「自然(水辺)」がすごく好き。他の地域と比べて「緑」が鮮やか。諫早の中心部は「高校生」と「大人(商店街)」との距離が近くてすごく魅力的です。おすすめスポットは「カキュー」でよく友達と行ってます。「クリームぜんざい」が好き(笑)。以前、東京で諫早出身の方と出会い、野中精肉店のコロッケは美味しいよね~と盛り上がったことがきっかけでご縁を頂いたりと、「故郷」を持っていることは私の強みだなと思います。
Q.ご両親はどんな人?
A.「私の人生は私のもの」という私の気持ちを理解して、可能性を信じてくれているように思います。
Q.目標としている人
A.フォトジャーナリストの「安田菜津紀さん」です。社会問題をただ扱うだけでなく、身近な分かりやすい例を使った説明で、難しそうな問題を「自分ごと化」する姿勢に憧れています。
Q.将来、諫早でやりたいこと
A.「学ぶ環境」は「海外」を考えていますが、自分の能力を還元する場所は「日本」と考えています。日本のどこに居ても「諫早へ恩恵を返す」ことは実行したいです。例えば「官庁で仕組みを作り諫早へ発給する」ことも考えられると思います。
Q.こんな諫早になってほしい!
A.諫早の高校生の「能力」は、皆さんが思うよりも高いと思います。「高校生」や「こども」ではなく「一人の人間」として扱うことで、その高校生達から、地域への「愛着心」が芽生え「地域に貢献したい」という気持ちが生まれるはず。そうなれば、諫早がもっともっと素敵な街になるのではないかと思います。
Q.face読者と諫早市民へメッセージ
A.諫早で生まれ育った子どもたちは、純粋で自分の思いをキラキラした目で語ることが出来る。この「大多数が問題だと思わないことを問題と捉える力」と「泥臭く全力で取り組める力」は世界一だと確信しています。この凄さを皆さんにまずは知ってほしい!!そして、その純粋な違和感をカタチにする土壌を作って頂けたら嬉しいです。